冷めゆく氷の欠片
流氷に舞う縛りの柱
氷にゆらゆらと閉ざされる時雨のひと時
旅立つ架の夜への最期の目覚め
覚めやらぬ日常からはもはや別れを告げる
辛い過去から全てを逃げ出して
永遠(とわ)に消えゆく古えの呪縛
冷めゆく湖の欠片
流氷に縛られる十字架の槍
突き刺さる時雨に夕刻で最期が訪れると
悲報が届く
故人となる若者の身体がゆらりと横たわる
身体中が古傷だらけ
幾重と無く戦場で戦い続けた生涯
冷めゆく淡い希望
絶望に閉ざされる憤りの十字架
期待は消えゆきもはや一刻の猶予は見られない