除夜の鐘が鳴り響く時
今年の最後を告げる音色だと気付く
気付いた時は既に時遅し
除夜の鐘が鳴り響いた時が自らの最期の時だと
明けゆく朝さえ見上げることも赦されず
初日の朝光さえも見上げることを赦されず
邪光の囁きに絶壁の夜光に辺り一面覆われる
生きて帰ることも叶わず
社に焔となりて還りざく
社に魂となり還りざく頃
辺り一面を見渡す
除夜の鐘を鳴らす教団の施設など何処にも見当たらない
自らに問い掛ける
そう…先より鳴り響く除夜の鐘…
それは…自らの生命の鼓動が鳴り終わる最期の知らせ
最期まで幸せを手に出来ず、手にしたのは大きな災いと罪
朝露がこの身を照らす頃
身体から魂はそっと消えゆく
遥か先の忘却の彼方に