赤化

彷徨う
嘗ていた世界にはもう二度と戻れない
全てが二人を引き裂いた

今いる世界
辺り一面が赤い赤化した世界
空も海も大地も全てが赤い

もう元の青い澄んだ世界には
二度と戻れない
永遠に戻れない

荒んだ赤い夕焼け
不快に満ちた狂気と隣り合わせの惨劇の深夜
消える希望と生への癒着
死と隣り合わせの恐怖
消える未来への過去への呪縛
籠の中から出る呪詛を受け
漂流していた囚われの魂は
今宵永遠に消滅する

現世と並行に存在する赤化世界
次第に自身が赤化した事に気付き
最早澄んだ青い現世に永遠に戻れない
永遠に戻れない

夢にみる元の青い世界
今の世界では異世界…平行世界
赤い光に身が蝕まれる
最早魂が浄化される事も救われる事は二度と無い

一日だけ元の世界に戻れる
微かな生への希望が芽生える
ただ一日だけでもいい
また大切な人に出会えるのなら

七月の七日の夜
また青い世界で再び出会える
あの日からずっと変わる事の無い思い
またあの穏やかで幸せな一時を過ごす

夢のような夜
夜更けが近づき幻のように消え去る
気が付けばまた赤い世界
もう二度と元の世界へ帰れない
永遠に元の世界へは戻れない