聖天

赤い世界に来て早や一年
今宵はいつも赤い夜景は無く
真っ白な夜景が見渡す限り続く

すぐにある事に気付く
真っ白な世界とは…「次元の世界」

複数ある未来から良き未来を選べと
聖なる声が啓示される
あの世界への帰りを願う

祈りは届かぬと昔の古文書には書かれていた
其れなら敢えて前例を破り祈りを捧げる

暫くの時を得て真っ白な光が全身を包む
意識が薄れ赤い世界の夜景が徐々に見えなくなる

一時の眠りを得て夢の世界から目覚める
目覚めた世界は元の青い世界
一年前と何一つ変わらない世界
気が付けば大切なあの人が待っていた
一年の長き時を経ての再会
夜空を見上げ神秘的な夜景を見る

聖天と呼ばれる夜景
現世世界こそが古えの古文書に
書かれていた「聖天世界」
幸せな光が二人を包み
永遠に離れる事の無い絆を得て
今宵より永遠に幸せな一時を過ごす