「詩」カテゴリーアーカイブ

除夜

除夜の鐘が鳴り響く時
今年の最後を告げる音色だと気付く

気付いた時は既に時遅し
除夜の鐘が鳴り響いた時が自らの最期の時だと

明けゆく朝さえ見上げることも赦されず
初日の朝光さえも見上げることを赦されず
邪光の囁きに絶壁の夜光に辺り一面覆われる
生きて帰ることも叶わず
社に焔となりて還りざく

社に魂となり還りざく頃
辺り一面を見渡す
除夜の鐘を鳴らす教団の施設など何処にも見当たらない
自らに問い掛ける
そう…先より鳴り響く除夜の鐘…
それは…自らの生命の鼓動が鳴り終わる最期の知らせ

最期まで幸せを手に出来ず、手にしたのは大きな災いと罪
朝露がこの身を照らす頃
身体から魂はそっと消えゆく
遥か先の忘却の彼方に

聖夜に寄り添う二人

明ける朝に聖夜を迎える
そう・・・二人が初めて出会った日

いつしかお互いに惹かれ行く想い
聖夜に漸く実り・・・それは永遠の想いへと
変わりゆく

微かに雪の降る夜
街中にイルミネーションの明かりが灯り
至福の時を感じさせる
聖夜に寄り添う二人

降りゆく雪にどこか暖かさを感じる
雪の精がきっと、二人を祝福してくれているのだろう

明けゆく朝の光が新たな世界に差し込める
神々しい光に導かれ二人は永遠の絆で結ばれる

滅びゆく生命の灯

忘らるる架の世界に降り注いだ災厄により
架の世界に生きる全ての生き物に対し
最後の審判が下された

数字を刻印された生物以外は全て滅殺された
全て例外無く・・・

忘れゆく架の世界に消えてゆく想いに
何かを託して、刻印されなかった生物は
全て消え、魂だけが架の世界を彷徨う

滅びゆく生命の灯がいま消えようとしている
全ての例外無しに・・・

明けゆく朝に祠の社に辿り着いた
多数の生命の蝋燭に囲まれ、
刻一刻と刻印されていない生命の灯が
一つ一つと消えて消えてゆく

彷徨える魂となり、架の世界を駆け巡る
最期に一声すら掛けられず、
消えなければならない不条理に
苛まれる凄惨な宿命に翻弄される魂

避け逝く魂に何かを託して
次々に生命の灯は消え逝く
浄土に導かれるまま
今宵で自分の魂も最期を迎える

忘らるる忘却の彼方に
全ての期待を抱き
微かに芽生えた想いに
新たな世界を垣間見て
明ける朝に魂は解き放たれて

戒律

古えに囚われの身となったあの時から
早くも数千年が経った
瓦礫の外の世界を見ぬまま
今宵でこの世から姿を消す

戒律さえ存在しない空虚な世界
瓦礫から滴り落ちる傷付いた身体
漸く息絶える一時
絶望の漆黒の闇がこの地を覆う

魂が身体からそっと抜け逝く
青白い光が辺り一面を覆う
光さえ全て消えて無くなる
夜明けはもう二度と訪れない

哀愁の漂う海辺にそっと魂が浮かぶ
この地の行く末を憂う儚い一時
夜が明けることは二度とありえない
朝が訪れることはもはや決してありえない

憎しみも復讐さえももはや省みず
消えて無くなる身体に全ての別れを告げる
もう二度と抱くことの無い想い
感情さえも全て消え逝くから

戒律が消え去るその時
この地はいよいよ最期を迎える
在りし日に抱いた想いは
この日、ついに消え去る

終焉の傷

終を迎えるときにそっと自らの身体を見つめる
無数の傷が終を誘う

やがて自らに訪れる終焉
終いに訪れる永遠の眠り
もはや命の鼓動は消えようとしている

うっすらと浮かぶ死生の誘い
光り無き闇夜
最期に訪れる静寂の誘い

架ノ世界に浮かぶ蓮ノ花
微かに消え逝く生への期待
終焉の傷は僅かに輝いていた命の鼓動を全て消し去った
今宵に魂は架ノ世界からそっと…消え去り逝く

十字架

かなり静けさに惹かれ
夜更けの朝に十字架の地に辿り着いた

傷だらけの身体にさ迷う魂
見附に切り出すさいための迷い

忘らるる死都にさ迷う光り無き魂
不夜の城に四六時中潜む救い無き魂

決して哀しみ抱けない
数年のさ迷いは表情さえも失ってしまう

願わくば、早くこの世界から、魂ごと消え去ることを願うのみ

無意味な生など、もう二度と過ごしたく無いから…

自ら生への道を閉ざす
心は十字架に張り付けられ
もはや生き心地はしない

いつか魂が解き放たれる時が来たら、いとしいキミに逢いに行きたい

叶うかどうかは解らない
ただ、例え身体が消え去り魂に成り果てても、
キミがいとしい気持ちには変わりは無いから…

微かに漂う君への想い

微かに漂う君への想い
ひたすら抱き続ける変わらぬ想い
明日の朝焼けに君の姿をようやく見る
光が差すとき、それは現実となって現れる

生まれし頃から修羅の化身だと
恐れられていた自分を暖かく解してくれたキミ
阿修羅の呪縛から解き放たれたとき
ようやくキミのそばにいられる気がした

海辺に浮かぶ蛍に満天の笑みを浮かべた
限りある命に新たな息吹を吹き込み
夜空に描く星空に永遠を願う

微かに気付く君への想い
ひたすら抱き続けた変えることの無い想い
明日の夕焼けに君の姿をようやく見て
月の光が差すとき、それは不可思議な事実となって現れる

数年前に本来なら消えていたはずの自分が何故か
この世界にい続けていた
天界から舞い降りる素敵な天使

辺り一面祝福のメッセージを二人に与え続ける
今宵は二人が初めて結ばれた日だから・・・

死生の漂う世界に咲く一蓮の花

死生の漂う世界に咲く一蓮の花
北から冷たい風が吹き付ける大地に
根差す社に密かに精霊が宿る

有明の地から見つめた君への想い
一蓮の花へその想いを託す

八代の地から八幡の地へ
伝承として語り継がれている
古えより伝えられし静寂

安らかに眠りに付く頃
辺り一面がざわめき始める

深海に帰り着く聖なる魂
聖夜にやがて蘇るとそっと囁きかける

明けゆく朝にそれは現実となって現れる
古えに囚われた旧態依然の地をそっと
滅ぼし新たな世界を創造する

君と新たな世界で再会する頃
一連の花が咲く大地は光り輝く
微かに面影の残る地で君と永遠に過ごし続ける

Kizuna

永遠という時を過ごす二人
まさに今宵は至福の時
神々しい光に辺り一面覆われる

八幡の地に降り注ぐ光の雨
架の世界に降り立つ聖なる夜

二人はそっと絆を確かめ合う
海にいる精霊が二人を祝福する

大地に根付く生命の息吹がそっと囁く
青白い空を眺め、雲の無い快晴が訪れたことに
ようやく気付く

いつしか、快晴の夜になっていたことに気付く
綺麗な星空にただ一つだけの願いを託す
永遠の絆という願いを・・・

hate

逢いたい人に逢えない…
これだけ辛いことは無い
…と改めて思い知らされた

悲劇の夜の幕開け
哀しみに焦がれる日々で
身も心もズタズタに引き裂かれる

不治の病に侵されたかのように辛く重く哀しい気分に包まれる

何故にこの災いに苛まれ無ければ為らなかったのか、
いまと成っては知るよしは無い
祠に漂う冷気に魂を委ね
海に還る時をひたすら待ち続ける
祠に消え去る未来無き世界………………………