「詩」カテゴリーアーカイブ

illusion

架の夜に満たされぬ魂が旅立つ
目指すは架の世
架月の夜へ見舞う桜夜

夜の桜は帰り着く寒さに怯える
不穏な雰囲気を漂わせる何かに

切り裂く湖に刃が漂い
彼が消えた此の世はあらゆる惨劇に見舞われる

聖なる夜も全て消え
世は全て絶望と深い哀しみに包まれる

青白い光が辺り一面を覆う
全ての滅びが始まるを聞かされる

その頃、御霊となった彼は
架の世へと辿り着いた
神々しい天使に再会する

天使に此の世の状況を問いかけてみた
想像を超える惨劇に見舞われていることに
氷離の想いを抱かされた

ただ此れも全ては新たな世の為
創造される新たな世に期待を寄せる

ただ最愛のキミだけは消えてしまった自分の分まで
ずっと生きていて欲しいと切に願う

架の世で過ごして数ヶ月
新たな世で転生することを知らされた
名も姿も変わるけど、キミとの再会を楽しみにしている

ようやく再会の時
キミはあの時の姿のままだった

二人がお互いに気付くまでには然程時間はかからなかった
もはや掛ける言葉もいらない
想いは永遠に続くから

Fatal last

御霊の魂が消え逝く時に
漸く一欠片の悟りを得る
青白の世界から氷離の息吹を得る

御霊の夜から早くも失われる
聖域の彼方
遥か先まで見通せた終末の館

綻びる絆と途絶えかけの想い
掛けがえの無い何かが失われる
修羅の地に辿り着き
紅蓮の炎に全てが覆われる
忘らるる光ヤミに全てが消え去る
絆は全て消え逝くと生への執着を
無くした邪なる精霊が囁く

遥か先にある修羅への道程
安らかな世界さえ拒絶するヤミへの道
消えて消えて…光影に

遥か先になる救世の夜
聖域から遠ざかる
救いの種と災いの想念

綻びた絆から僅かな希望が消え逝く
想いとは裏腹に全てが辛い方向へと進み
僅かに抱いていた淡い想いが全て絶たれる
もはや生には何ら期待出来ない
聖なる夜に架の世へ旅立ちたい
修羅の化身となり、全てを滅ぼしたい
絶望と隣り合わせの滅びの価値を見出し
架の夜を今宵限りで消し去り
全ての災いを消えることで
架の世界で災いが全て消え

Failed mind

冷めゆく氷の欠片
流氷に舞う縛りの柱
氷にゆらゆらと閉ざされる時雨のひと時
旅立つ架の夜への最期の目覚め

覚めやらぬ日常からはもはや別れを告げる
辛い過去から全てを逃げ出して
永遠(とわ)に消えゆく古えの呪縛

冷めゆく湖の欠片
流氷に縛られる十字架の槍
突き刺さる時雨に夕刻で最期が訪れると
悲報が届く

故人となる若者の身体がゆらりと横たわる
身体中が古傷だらけ
幾重と無く戦場で戦い続けた生涯

冷めゆく淡い希望
絶望に閉ざされる憤りの十字架
期待は消えゆきもはや一刻の猶予は見られない

終末

終末の夜
切り刻まれた身体は
もはや生気さえ
残されていなかった

身体からそっと魂が
抜けゆく…

終末がこの身体に押し寄せていく

滅びが近いときをようやく
悟る
もはや残された時間は
残り少ない
そっと…身体は消えていく…
終末の夜に

修羅の夜

修羅と化す此の世に
何も期待すら出来ない

石化する五月雨の気配
氷離に閉じ込められる最果ての精神

三日月の夜に復讐を誓う
此の身を修羅に変えて

彷徨う光無き世
暗闇に包まれる蘭の花
景色さえ見えぬ光無き夜
安らかにさえ眠れない悪夢の夜

修羅と化す此の夜に
全ての絶望を抱えて

石化した五月雨の夜に
氷離から怨念が吹き出る最悪の聖夜

雪の降り続ける夜に
全ての復讐を遂げると誓う

彷徨う修羅の夜
有明に包まれる修羅の花
意識さえ苛まれる罪無き夜
期待さえ出来ない御霊の夜

阿修羅と化す最後の夜に
流血で洗う無慈悲の世
神無き修羅の夜
存在さえ全て消し去りたい
そう願うとき
全ては最期を迎える

不条理の夜

消え逝く生
僅かに残された精気も
もはや此の身体から消え去る

消され逝く生
僅かにさえ期待された生への執着も
此の身体からは全て消えてしまう

忘れ逝く日に
修羅の化身が宿る
不条理の夜に荒れ逝く術を見出す

修羅の世界に
飛ばされ戦いを挑まれる
明日の夜更けまでに敵を消さねばならない

赤い夜に刻む
修羅への道

青い海に刻まれる
不条理への道

祠に舞う精霊に
この宿命(さだめ)から逃れる道を問いかける

不条理から逃れる選択肢は
もはや導き出せず
安らかに此の世から消え去る以外
選択肢は見出せない

不条理の夜に
修羅の世界へ消え逝く
言われ無き流血の夜に
魂は全て刻まれ帰依行け

消える以外術が無いことを
修羅の身になってから漸く気付く
全てを傷つけて漸く悟り行く
青い御霊に祠に縛り付けられ
八代に消え逝く青白い光
八幡に消え去る不条理の冷気
明け行く朝に全ての終りを迎えて

終焉

三度(みたび)、訪れる最期の日
今宵にこの身体からは命の灯が消える

長い道のりを得て、一度も幸せは訪れることは無く
あるのはいつも辛く哀しみだけ・・・

生への希望を一切失くす
深い傷という十字架をずっと付けさせられていた

祠に舞う精霊に問いかける
社に彷徨う御霊に問いかける

何時までこの辛さを味わう
何時までこの傷を負わされる

三度(みたび)、訪れたこの世から
離れるチャンス

長く味わってきた、辛さ、哀しみから離れられる時が
終にきた

もうすぐ終わりが来る
哀しみだらけの生

未曾有の災害がこの地を覆う
不条理な宿命(さだめ)から逃れる

失う術はもはや何一つ見当たらない
傷だらけの身体から・・・そっと、魂が抜け逝く

終に終わりを迎える
御霊となり、この世から離れ逝く

終焉の夜
終に新たな魂となり、新たな世界へとそっと・・・消え逝く

哀しみ(カナシミ)の夜

うっすらと浮かぶ海辺の影に
君の姿が見える

君に触れようとしても
手は全て擦り抜けていく

・・・そう、もはやこの世のヒトでは無いから・・・

あれは数日前、未曾有の惨劇に見舞われた日だった
瓦礫から見つかった傷だらけの身体・・・

・・・紛れも無い自らの身体
擦り抜けていく光と影
もはや何も手に出来ない・・・

失いの代償は余りにも大きい

耐え難き意識の薄れ・・・
数日の末に息絶え・・・
今宵に魂となってこの世を離れる

八代に消え逝く今宵に抱く想い
何時かは消え逝く宿命(サダメ)にあり
明日の明けにはあの世へと旅立ち

海辺の精が語りかける
来世の儚いひと時

一時で消え去る
仮の身体

・・・例え僅かな一時でもいいから・・・

幻となり現れる今宵だけの特別な夜
仮の身体で最愛の君(キミ)にようやく会える
抱きしめたときにようやく分かる有り難味

大切な想いは生を受けているときも
魂となった後も何一つ変わらない
それを確かめ合うように一つの答えを見出す

・・・永遠という答え・・・

哀しみから解き放たれるとき
氷離に閉ざされた深い闇(ヤミ)からも
解き放たれる

来世で再び君(キミ)と幸せな一時を
過ごせる日が来ることを願いながら
永遠に過ごす来世に魂は旅立った

架の世界に秘め遣らぬ八桜の夜

架の月に冷め遣らぬ
古えの教え

架月に満たぬ
静寂に身を遊ばれ
やがて己の身を滅ぼすことを知る

架の月に秘め遣らぬ
戒の教え

霜月に満たぬ
静寂に身を滅ぼす
やがて己の身を消し去ることを知る

最果ての地からあの世へと
生還され今宵は藻屑となって
ただこの世から消え去る

青白い静寂に精霊に苛まれる
邪気が身体中から全て消え去る
赤い紅蓮の炎に全てが包まれる

八代に還り逝く葉桜の香り
桜の下に佇む穏やかな風に呑まれ
今宵ようやく永遠の眠りに付ける

一生消えない傷をずっと背負い続けて
十字架のように動かない身体に
そっと満たされない魂が宿るから

終止符が訪れる日

キミとの幸せな一時が…
ゆらりと終焉を迎える

付き合えていた頃はその前兆さえ感じられないくらいお互いに幸せを感じていた
そう…数年経てば、
キミと永遠にいられる…
そんな想いが抱けるくらい至福の一時を過ごしていた

かつての辛い過去を全て洗い流し、新しき未来へと、
共に駆け巡ろう

…初めて結ばれたときに
お互いにそう想いを寄せていた

いつしか、見えぬ邪気満ち溢れる力に二人のサダメは翻弄されていた

懐かしむ一時も返り見せぬ永遠に引き離される二人

数年の時を経て、輝く聖夜が訪れた
神々しい美しいキミに久々に再会した
抱きしめ合う二人…
…お互いにようやく幸せな日々が訪れた
…そう永遠に…